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植物って根

今年の冬は暖冬なので花々は寒中にもかかわらず皆元気に咲き続けている。
植物って根_a0091680_148075.jpg昨年は冷え込みが厳しく、パンジーも、ビオラも、朝は花びらが凍って「冷凍野菜」状態になっていた。冷凍野菜と違うのは、日が当たるとちゃんともとの生体に戻るところ。毎朝、そっと触ってみて、その完全凍結ぶりと、完全復活ぶりに感心していた。
例年だとパンジーもビオラも、蕾は出ても、「このまま春まで待つの?」と聞いてみたくなるほどななかなか開花しない。
厳しい寒さの下では、成長を遅らせてじっと耐えているのか。・・と思いきや、そうではなかった。
一旦植えこんだ株を、寒中に別の場所に移そうと思い立ったことがある。根鉢を崩さぬようにそっと掘ってみると、白い根毛がびっしりと密に伸び広がっている。根の占める体積が、植えたときの倍近くなったものも有った。
寒い冬の間、これらの植物は地上の寒さを避け、ある程度の地中温度があればひそやかに黙々と根を張り巡らしてゆく。
植物は、ただ耐えたり眠ったりしている訳ではなく、来るべき春に着々と備えているのだ。
そして待ちわびた春が訪れるや、張り巡らした地中の根に秘めていた春への想いを解き放ち、湧き上がるように咲き乱れ、春を謳う。


・・・木の根の伸び広がる範囲は、樹冠のように大きいと聞いたことがある。「天空の城ラピュタ」の巨樹のように。大きな木を見ると、この足元の地中には、樹冠に見合う大きな根が存在することを想う。
樹木も、根が充実するまでは地上部はあまり繁茂しない。しかし、ひとたびしっかりと根付くと、いきなり樹勢が強まり、驚かされる。「ちょっ、ちょっと待った・・・」
根付いたかどうかあれほど気がかりだっのに、迷惑になってくる。これ以上大きくなりすぎると手におえなくなるので、先週末、自宅庭のカツラを切り詰めた。樹勢の強い木で、なおかつ大木になると知っていながらカツラを狭い庭に植えるほうが悪いのだが、本当に美しい木なんだもん。
植物って根_a0091680_846925.jpg
昨年から急に伸びが速くなってきたので「自然樹形」風↑に大きくしたかったのだが、毛虫が大量発生したので、手入れしやすい丈まで詰めた。
しかし、一旦根付いたこの木が今後おとなしくしていてくれるとも思えない。
これからも毎年、その根のもたらす生命力でてこずらせてくれる事だろう。
    「美人って肌」ってキャッチコピーが在ったが、「植物って根」だ
Commented by 4seasons-kurumi at 2007-02-02 20:46
パンジーの話を読んで、何故か胸が熱くなりました。
涙もチョロッと出たりして。
密やかに、もくもくと春を待つ・・・・。
Commented by paw-a at 2007-02-03 19:55
樹のように、植物のように、
”根っこ”を充実させなくちゃ・・・^^
カツラがお庭にあるんですね・・・
うらやましいです♪
Commented by chatadon-06 at 2007-02-05 10:30
kurumiさん
生き物達はそこに存在して黙々と生命の時を刻んでいるだけなのに、心打たれます。
「そこに、そうしているのね。」と感じ入ってしまいます。
単に「無心に存在する」だけのものにも何かを感じてしまうう、厄介な「心」を持つ、ヒトという生物もまた不思議で面白い。

私にはkurumiさんのように、スゴイ表現力と手段が無いのですが、涙ぐんでくれたりするとちょっと嬉しいかも。

Commented by chatadon-06 at 2007-02-05 10:31
cocoさん
根には力学的に支えになるという重大な役割もあるんです。エライ。
ウチのカツラは今「二分の一カツラ」位の大きさになってしまいました。残念。
全国に「巨木」として知られるカツラがあるくらいだから、いつかは切ることになるのは覚悟してたんですけどね。
植えたのを後悔はしてませんが、ちょっと人には薦められません。(笑)
Commented by 山栗 at 2007-02-05 23:27 x
ちゃ太郎さん、今晩は!

カツラ、いいですね。大好きです。ハート型の葉、美しい樹形、黄葉。私も3年前に植えましたが、なかなか、大きくなりません。
早く、ちゃたろうさんの所のように大きく育って欲しいと思っています。剪定はもったいない!
Commented by chatadon-06 at 2007-02-13 09:24
山栗さん
我が家のカツラはごく細い木を植えたのですが、植えてから3、4年くらいはそれほど急には伸びませんでしたが、昨年は年に1メートル以上伸びました。伸び始めると恐ろしく成長が早い木のようです。
各地で見かける林のなかのカツラは、上へ上へと伸びて、さやかに葉を繁らせますが、広い場所に一本立ちのカツラは巨大な樹冠を形成します。
たまにウォーキングに行く公園にそういうカツラがあり、それはそれは見事な木ですが、一本あたり最低でも15メートル四方くらいのスペースをとって植えてあります。
自宅の狭い庭では今以上大きく出来ないのと、外来種のイラガが大発生して手を焼いたので、高枝バサミで私が手入れできる範囲まで切りました。大きくなってしまうと関電工(関西では?)の電線工事車両みたいにアームの伸びる工事車両でもないと手入れは無理でしょう。
でも、山だったら植える場所さえ選べば、この上なく楽しみの多い木ですね。四季折々、いつでも姿の美しい木ですから。
外来のイラガたちも当分は山には現れないと思います。
清里のお宅のカツラもそろそろ成長期に入るのではないでしょうか。

※訂正箇所があり後日再投稿しました。
by chatadon-06 | 2007-02-02 14:39 | 植物・動物 | Comments(6)