読書メモ 田舎暮らしに殺されない法

時間がないので久々の読書メモ。
田舎暮らし志向に対する警告、と言うよりも、ブームにのってどっと田舎暮らしに繰り出そうとしている(してしまった)団塊の世代に対する警告の書。
コレまでの人生で「自分」を生きてこなかった世代の人々、個人として自立することなく、会社を拠り所として生きてきてしまった人々。
定年に達し、たった一人きりで、具体的な「生活」のあらゆる場面で必要な行動力や運動能力、体力すら持たない『子供並の存在』として企業社会から放り出される。
そして老後の人生を甘く囲う夢としての田舎暮らしに拠り所を見出そうとする、そんな団塊の人々を待ち受ける強烈な田舎暮らしの罠

本書の特筆すべき特徴は、何しろ、徹頭徹尾、ほぼ全編、田舎に対する呪詛とさえ思えるマイナスの、悪の、危険性の羅列と、それに立ち向かうにはあまりに生活者としての成熟を欠く、子供並の知恵と生活能力しかない団塊世代の無力さや、自立した個としての生活力の無さの著述に費やされるところだ。
この、マイナス展開の執拗さ
いずれはポジティブな未来、プラス側面の著述に転換するのか、僅かな救いだけでも現れるのか、と期待しつつ読み進んだが、最後のほんの数ページまで来てようやく、
もしかしたら、人によっては大きな転換の契機になるのかもね、
・・・・と。ほんの気休め的に・・・・。
笑。

悪口雑言の限り。想像しうる、或は著者が体験した、あらゆる悪い事。(感想書くほうもしつこく繰り返すことに・・・・。)手を変え品を変え、コレでもかこれでもかと出てくる危惧の数々は、著者の田舎への思いを越えて
「これって田舎だけじゃないよね、いまや都市の片隅でも同じ」と読者(少なくとも私)をして思わしめ、逆に、「結局ドコだって危険なんじゃ・・・どうしてそこまで田舎のせいにしたいの?」と田舎にこだわる著者のほうに突っ込みたくなる気がするが、それはさておく。

申し訳程度の小さな望みだけが残されたパンドラの箱を空けた気分の読後感。

。。。著者にちょっと聞いてみたくなる。

・・・あなたの気持ちも分かります。
個人の自立に関するお説にも異論はありません。
田舎への誤解と幻想を打破したい、これもちゃんと伝わります。
・・・でも、アナタはどうしたいのですか?
このマイナス展開の対極にあるプラスな生活ってどんなモノなんでしょ????

読者にナニを伝えたいか、いまひとつ摑みきれない謎な本
新しいジャンル(ノウハウ本風の呪いの書、とか。笑)かも。
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私の読解力不足かも知れませんが、図書館の本なので確認しようがありません。
個人的な読後感です。

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Commented by 甲斐小泉 at 2008-09-02 11:05 x
面白そうな本ですね。これは毒を飲む気でぜひ借りなくちゃ・・・市立図書館に予約を入れたら、39人待ちでした(笑)。
Commented by chatadon-06 at 2008-09-03 12:39
甲斐小泉さん、こんにちは
何しろ、シツコイ繰り返しで、こちらももう、内容など無視して
「まだかよ~」「またかよ~」と吹き出しながらも、どうせ起承転結を経てハッピーエンド(本当は田舎暮らしは素晴しい)にいたるのだろうとたかをくくっていました。
ようやく、文字面こそ、それらしき展開・・・だったのですが、どうにも著者の「熱意」が伝わってこない。「え?え?」それだけ?

でも、ある意味、かなりおもしろい本でした。笑。
Commented by 甲斐小泉 at 2008-12-01 15:28 x
遅まきながら読み終えました。ご紹介いただいて感謝です。


しかし、まぁ・・・・面白かった。

これは田舎暮らしに事寄せて、事なかれ主義の寄らば大樹の陰で来た一般サラリーマン(著者と同世代の)に対する大バッシングの書ではないかと思えてなりませんでした。

著者と一緒に一般サラリーマン(家にもこのカテゴリーに属するのが約一名)に鞭打つ気持ちで爽快でしたわ~。

でも、その鞭がいつしか自分にも向いて来てしまいました。

へたくそな感想はhttp://blog.livedoor.jp/kaikoizumi2005/にございます。お暇でしたらお寄りくださいませ。

この本の事、ぜひ某所で記事にさせていただきたいところです。こんな不景気で甘い覚悟でお山に行こうという手合いも減っているとは思いますが。
Commented by chatadon-06 at 2008-12-02 18:03
ね、スゴイでしょ?
次々繰り出される悪口雑言、罵詈罵倒的内容。
これまでの人生、ストレスだらけだったのね~と感心すらしてしまう。。。
幻想の田舎理想郷イメージを振り撒いて不当な利益を上げるケシカラン輩もおると思いますので、おいしい話だけでなく、辛口の話も読んで、バランスの取れた判断をするには良い本だと思います。
でも辛口すぎますが。笑。
Commented by chatadon-06 at 2008-12-02 18:05
↑の続きです
著者のように、「個が際立ってる方」には田舎はストレスだらけでしょうが、「団塊さん」たちは、このお方とちがって、結構テキトーに地域に馴染んでしまわれるかもしれません。
日本の地域共同体のエッセンス、田舎の風土は、企業社会にどっぷりひたって長年暮らして来た方々にはそれほど違和感がなく、かえって居心地良いかもしれません。
それに、人には退職金を投じて、好きなことをやってしまう、すなわち、なんと言われようと、思い切って夢か滅びかの賭けをする権利だってあるような気がしますので、ま、余計なお世話かな、とも。
(筆者はきっと、私と違ってとっても他人思いの親切な方なのでしょう。。。)

。。。ただしっ!破綻して子供に迷惑をかけないだけの準備、
別立て老後資金。コレだけはがっちり残して置いて差し上げないと。。。。

  それにしてもオモシロイ「奇書」でありました。
Commented by abcd at 2012-07-06 20:37 x
どちらかというとこの本は、田舎暮らしを理想とする人に「アナタはどうしたいのですか?」と訊いているような本でしょうから、著者自身に対して「アナタはどうしたいのですか?」という疑問を知りたければ、著者の他の本に書かれた田舎暮らしストーリーを読めばいいのではないでしょうか。
著者にとって「プラスな生活」が書かれていると思います。

「読者にナニを伝えたいか、いまひとつ摑みきれない謎な本」といわれましても、題名どおりの本ですとしかいいようがないようです。

既に田舎暮らしの人生を送っている人の中には、読んで血圧があがるかも知れない本だとは言えるでしょう。
内容的には作者の個性が滲み出た部分が奇書?かもしれませんが、カテゴリ的には奇書でもなんでもないです。
Commented by chatadon-06 at 2012-07-10 13:17
abcd さん、はじめまして。
おばさんの与太話にまじめに反応していただき、感激です。

読んだのがあまりに前の事、かつ図書館の本なので確認ができないのですが、たしか、丸山さんの他の本では↑のすぐあとに、「新・作庭記」を読みました。
無手勝流、ないしは泥縄でほほえましいという朦朧とした印象のみ残ってますがぼんやりとで・・・。

仕方ないので↑の自分の文を読み返して振り返って見るに・・・
☆私はこの本が気にいってる。
☆きっと田舎暮らしのマイナス面が述べられるシーンのたびに、机バンバン叩いて喜んで笑い転げてる。
☆で、そんだけ面白かった割には「おち」のインパクトのあっさり感が物足りないと思ってる。(田舎暮らしへの警告の影に見え隠れする作者自身の思いをもっと終章で伝えてほしかった。)

つまり、総合的に私にとってはかなり面白い本であった。
人にも読んで!読んで!と触れ回りたくてブログに書いている。
(「奇書」は私的カテゴリではほめ言葉です。)
・・とは伝わらないようで表現力の不足はご容赦ください。
何にしろ作家ではなく年降りたおばさんですから。

コメントありがとうございました^^
(亀レスでゴメンナサイ。)
by chatadon-06 | 2008-08-15 11:43 | 読書感想文 | Comments(7)