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クリスマスツリー

我が家にも一応クリスマスツリーはある。
夫は「うちはクリスチャンではない」、と毎年一言いうが、子供達が小さい頃は我が家にもちゃんとサンタさんが来ていた。
キリスト教はおろか、何の信心もない私だけれど、クリスマスに対する勝手なイメージはしっかり持っている。それは子供の頃読んだ本の中の世界
森は生きている(12の月の贈り物)、賢者の贈り物、クリスマスキャロル、マッチ売りの少女・・etc。私が子供の頃接したキリスト教圏の冬のお話は、多くがクリスマスを背景に描かれていた。※
だから私のクリスマスのイメージは(主に)中、北部ヨーロッパの冬景色だった。
・・・・もみの木を探す白銀の森。雪に埋もれる小屋の灯。凍てつく夜の中の暖かな家族の時間。家族や愛する人々を思い、贈り物を選ぶ内緒の楽しみ。
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※正確に言えばここにあげたお話の中にも、ヨーロッパでもクリスマスでもないものも含まれているが、小さい頃の私的な理解では、みんないっしょ。昔から、大雑把なのだ。

小さい頃、父がヒマラヤスギの枝を切って、クリスマスツリーを作ってくれた。ケーキを食べ、プレゼントを貰う楽しみだけでない、はるかな異国の冬を少しだけ味わえたような、そんなひと時を過ごした。
・・・・・遠い世界を見たい、はるかヨーロッパの冬の森を歩きたいという強い憧れをほんの少し満たす疑似体験として、私の子供時代のクリスマスがあったんだと思う。
そういえば、小学生の時、友達にくっついて教会の日曜学校に行ってたこともあったっけ。
日曜学校や教会の持つ、静かで内省的な雰囲気は好きだったが、長くは通わなかった。
そこが異世界であるからこそ、遠くまで行ってみたい、見てみたいのであって、自分がそこに同化したいということでは無かったのだろう。
クリスマスツリー_a0091680_14123049.jpgさて、我が家のクリスマスツリーは「ドイツトウヒ」。
いわゆるもみの木とは違います。ちまたでクリスマスツリーとして売られている木の多くは、このドイツトウヒ。バイオリン、ビオラ等弦楽器の材にも使われる木で、別名をヨーロッパトウヒ、ノルウェイトウヒ等。
ヨーロッパの割合寒冷な地域の森林を代表する樹種で、ドイツの「黒い森」(シュヴァルツヴァルト)の主要樹種としても有名です。
その意味では、これさえあればもう気分はヨーロッパ!なのかも。
比較的最近まで、「トウヒ」は外来語起源とばかり思っていました。
ドイツ語の「ウムラウト(Öë←こんなの)」の入ってる単語のようなイメージじゃありませんか?
「ヒ」で終わる単語っていうだけでもドイツ語っぽいし・・。
しかし・・・・実はトウヒは「唐檜」。外来の針葉樹、くらいの意味。

目からうろこ。でも、洋食が、食べている途中でいきなり和食になったような変な感じ。

いわゆるコニファーの中でも、丈夫なほうなんじゃないでしょうか。
我が家のものも、実際、物凄く丈夫です。
寒冷地出身の癖に、夏の暑さも平気でした。恐るべし、我が家のヨーロッパ代表




「トウヒ」はもともと日本にあった樹種で、エゾマツの近縁種。
在来種なのに「唐」がつき、ヒノキでなくマツの仲間なのに「檜」がつく
なぜか木材の呼び名としてそれで通ってしまったらしい。
そのトウヒの近縁種なのでドイツトウヒ。
マツ科でヨーロッパ出身なのに、こう呼ばれている。
私の記憶では、バイオリンやビオラの表板の材をスプルースと呼んでいたように思うが、今現在、日本でスプルースと言えばカナダトウヒの建材のことを指すらしい。

八ヶ岳の一部に同じマツ科トウヒ属の固有種「ヤツガタケトウヒ」があるとの事。

え~~とそれから、鳩時計の鎖についているおもりはドイツトウヒの実の形らしい。
by chatadon-06 | 2006-12-19 14:30 | 植物・動物 | Comments(0)