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梨農家の休日

次の記事が決まる前にリクエストがありましたので・・・
21日をまだ読んでいないかた、そちらを先にどうぞ。また、4/26、最後に補足を加筆しました。

農閑期の冬、久方ぶりの休日を温泉でのんびり過ごした梨農家のあるじ。
果樹農家として成功するまでの道のりを振り返る。

富士山を露天風呂から眺めながら感慨にひたる。
この富士山のように日本一の梨を作っているという自負はある。
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梨が「無し」に通ずるから縁起を担いで「ありの実」と呼んで何とか贈答品として売り込みたいと願った時期もあった。天候不順で実が小さかったり、甘みが乗らなかったり雹の被害をうけたり・・・何度も後を継ぐのをやめようと思ったこともあるし、少し前まで息子に後を継がせたくないと思っていた。
でも、こうして報われる日が来た。クラウンとBMW、息子夫婦のベンツも連ねて温泉にやってくることができる今日という日が。
お盆の時期になると、親戚に送るために注文する客が近隣から押しかけてくる。
この時期の客は作柄がよい年も悪い年も来るし、かなり高額でも他の贈答品に乗り換えたりはしない、いわば固定客だ。しかもデパートを通じた贈答と違い、収入のすべてが手元に入る。
少し見劣りがするものも店頭に置いておけば自宅用に売れる。

・・・でも、収入が増えることだけが農業の喜びではない。土をつくり、樹を育て、実を成らせ、飛び切り上等の梨を作ること。
土にまみれ、炎天下汗を流し、寒風に吹かれ剪定をすること。そうして手をかければかけただけ作物は応えてくれる。それこそが本当の農家の喜びだ。
たまたま近郊の果樹園としての立地が良かったから、こうして報われることが出来たが、農家の真髄、「汗水流して働くことの尊さ」「金銭だけでない、作物を作る喜び」を片時も忘れてはならない。
少しばかり収入が増えたからと言って、昔の苦しい時代のつましく堅実な暮らしを忘れてはならないのだ。

・・・だから梨農家のガレージには、今の高収入におごり高ぶらないように自らを戒めるために、農家の基本・軽トラックが、何台もの高級車の奥の片隅に、今も置いてある




       特注の金張り軽トラックが・・・

★これはヨタ話です。実際の梨農家はほとんど堅実(なはず)です。
★でも、21日のクラウンとBMWの話のほうはほんとよ~。


4/26加筆
★全国レベルで分かりやすいように軽トラって書きましたが、軽トラばかりでなく梨園ではちょっと変わったいろいろな作業・運搬車両を見かけます。
☆★☆↑にも書いたように、農業は、素晴らしい仕事で大変な労働であるにも拘わらず、経済的に報われることの少ない職業でした。
だから、農家のなかに、成功して金銭的にも裕福な方が出てくるのは、良い事と思います。
ただ、立地条件に恐ろしいくらい左右されることも事実です。↑の地域でも、幹線道路沿いに売店をもてるかどうかで収入は大きく違うと推測されます。
過疎化が進む農村などで苦闘していると思われる農家にも同じような、苦労が報われる収入があればよいのに、といつも思います。
・・・同じきつい労働をしても、地の利が違うだけで全く収入は違う。まあ、農業に限らず社会全体がそうなだといえばそれまでなのですが・・。

報われることが出来た農家の皆さんが、「軽トラに象徴されるもの」を大切にしたい心を持ちながら、次第しだいに感覚が麻痺していって、あれれ・・・金張りにしたりしてしまう、そんな日が来ないことを祈ります。

・・・・バブルの狂乱と崩壊を見てきた老婆心から。

Commented by hi-vison_1103 at 2007-04-24 00:06
「空想農園ノベル大賞」ノミネートの5作品の中に入りました!
(・_・)v
byクロエ
Commented by hiyasiame50 at 2007-04-24 10:48
後の4作のうち1作はクロエさんが鯛のお頭を食べながら執筆した由。

休日に高速びゅーんと飛ばしているのじゃぁないかしら。農道をあの車では車にはかえって負担?
私が20年くらい前に聞いた話。(今は違うとおもうけれど。)
某某Y県O村の話。
選挙の1票が軽自動車一台なんだって。だから人数が多いと外車一台。
もちろん 選挙違反です。
なんってったって お隣N町ではこの手のことで議員が逮捕されまくって議会が開けなくなった過去あり・・・・・と 超ローカルネタでした。
Commented by kanon0719 at 2007-04-24 13:43
ちゃたろうさん、こんちは。
↑ねいさんのこの手の話聞いたことありますよ、実際に立候補したお方から。私が聞いた話は一票テレビ1台でしたが。
うちのあたりの農家さんもリッチに見えます。おうちはとっても大きいし、車もずらーーーっと。
息子が家庭教師していたお宅は、庭先にべ○○と、B○○と、国産の高級車が並んでいたそうです、そこに大衆車○○ー○で通ってた息子です。
でも、農家さんは天候や政策に翻弄されて大変なことも多いでしょうね。台風の後の青森の林檎農家さんをテレビで拝見したりするとそう思います。
Commented by chatadon-06 at 2007-04-24 17:34
クロエさん
ありがと~人生最高の栄誉です。

・・・・って
のせるのもこれっきりにしてください。 笑
Commented by chatadon-06 at 2007-04-24 17:49
ねいさん
その村知ってます。(爆
「車」までは知らないけど、その手の「実弾」エピソードのうわさは昔、あまた聞きました。風習というか、伝統文化というか、ほとんど正当な行為みたいに行なわれる域に達していたようで・・・。
今では流石におおっぴらには無いと思いますが。
関東の某C県も、田舎のほうはそうした伝統文化が生き生きと脈打っていて有名なトコロだったらしいです。
あちらはいくら持ってきたけど、こっちはって話しまでされてたり・・・
ン?これってY県のほうだったかな?曖昧ですが、どちらも似たようなものだったらしい・・
Commented by chatadon-06 at 2007-04-24 17:57
香音さん
やっぱり・・・近郊の農家は結構裕福なかたも多いですね。
広大な土地をもっていて、立地が良ければ不動産収入がある場合もありますし。
農家という仕事は本当に苦労の多い、リスクの大きい仕事だと思いますので、儲かる時には儲けておくことに異存はありません。でも、同じ苦労をしてもなかなか報われない地域の農家とはあまりに落差が大きい気がします。
頑張れ、儲からない地域の農家!
それにしても、立派な家や外車にどんどんつぎ込まず、不作の時に向けてストックしておけば良いのに、やっぱり相当儲かるんでは・・・とかんぐってしまう貧乏人・・・
Commented by chocodou at 2007-04-25 23:32
金張りは外だけなのか、中もなのか、松竹梅の趣きの梨の木が描かれていたりするのか・・・色々空想しています。
そういえば、市内のアスレチックコースの「ありのみコース」に行ったことを思い出しました。
Commented by chatadon-06 at 2007-04-26 11:05
チョコドーナツさん
この農家さんは、「農業のハート」「働く喜び」を大切にしたいがために、金張りという「ちょっと間違ってる」表現をとってしまった位ですから、いつかはハッと気が付いて我に返ってくれると信じます。
・・・黄金の梨の木なんて作らないと思いますよ。(←誰もそこまで言ってないでしょ!)
Commented by カマチョン at 2012-01-07 23:40 x
たまたま読ませていただいています
これから農家を目指しているものですが 果実が作りたいと思い
イチゴ・レモン・ブドウ・なし(全部自分が好きなものです)で 悩んでいます
自己資金にもよるかもしれませんが イチゴは ハウスでは 重油代がかなりかかる
時間はかかるけれど ぶどうやなしのほうが 長い目でみれば賢明なのでしょうか?アドバイスをお願いします
Commented by chatadon-06 at 2012-01-13 10:47
カマチョンさん、こんにちは、はじめまして。
コメント有難うございます。

この記事は大分以前のものですが、あくまでおばさんのヨタ話的にお読みくださいね。
これから農業を目指すかたにアドバイスを出来るような能力はありません、ごめんなさい。

素人の感想では、まず出来うる限りの調査をなさったほうが良いと思います。全国各地の自治体など、就農者を支援する取り組みに熱心なところも数多くあります。
(私の知ってる例では、北杜市にあるブルーベリー生産組合のように素人にいろいろアドバイスしつつ、地域ブランドを目指している取り組みもあります。)

レモンは温暖な気候が、ブドウは地形や気候・降水量が肝心な気がしますので、苺以上に生産に適した地域が限られる気がします。
梨は、天候が不順な最近は作柄の変動がとても激しいようです。
(最近仕入れた梨豆知識:梨の木は20年たつと切り倒して植え替えるそうです。)
苺の栽培法も最近では水耕農法のような形や、棚を高くして作るとか、苺の出荷時期を判断して収穫してくれるロボットなどの開発など、いろいろな取り組みがあるようです。

↓続きます・・・
Commented by chatadon-06 at 2012-01-13 10:50
調べるのと並行して、お好きな果物の生産者や農協などにお願いしお邪魔して実際を見聞きするのが良いのでは無いでしょうか。
色んな農家さんがいますけれど、結構作物に愛情持ってるかたがたが多く、じっくりお話聞くと興味深く、楽しいですよ。

カマチョンさんの夢が実現し、美味しい果物農家さんになれますように。

(お返事すっかり遅くなってしまって、そして、なんのお役にも立てず、ごめんなさい。)
by chatadon-06 | 2007-04-23 22:48 | 何か変・・・? | Comments(11)